基幹システムにSAPを導入する意味は?5つのメリットを徹底解説

基幹システムにSAPを導入する意味

基幹システムを導入すれば、企業の基幹業務を一元管理でき、販売管理や在庫管理などのさまざまな業務を効率化できます。

そんな基幹システムのなかでもSAPは、「経営・業務の効率化」や「経営における意思決定の迅速化」を実現するために、多くの企業で導入されているITソリューションです。

そこで本記事では、業務システムにSAPを導入する意味やメリットを解説します。

SAPの導入を検討している方は参考にしてください。

SAP基幹システムはドイツのSAP社が開発したERPのこと

SAP基幹システムは、ドイツのSAP社が開発したERPのことです。

具体的な特徴は以下のとおりとなります。

  • SAP基幹システムの各モジュールは7種類
  • ERPはSAPのなかでも主流の統合基幹業務システム

SAP基幹システムの特徴について、確認していきましょう。

SAP基幹システム | 各モジュールは7種類

SAP基幹システムは、業務要件定義を領域ごとに分けて管理しやすくするため、モジュール単位で分類しています。

SAPは具体的に、以下7つのモジュールから構成されています。

  1. SAP FI(財務管理)モジュール:販売・購買を収支実績として連携するSAPの中心的なモジュール
  2. SAP CO(管理会計)モジュール:原価管理をするモジュール
  3. SAP SD(販売管理)モジュール:受注→出荷→請求のプロセスを実現するモジュール
  4. SAP MM(在庫購買管理)モジュール:発注依頼→購買発注→入庫→請求書照合のプロセスを実現するモジュール
  5. SAP LE(物流管理)モジュール:出荷プロセスの詳細化と倉庫管理をするモジュール
  6. SAP PP(生産計画・管理)モジュール:生産計画→製造指図→製造実績のプロセスを実現するモジュール
  7. SAP QM(品質管理)モジュール:品質計画→品質検査→使用決定のプロセルを実現するモジュール

企業によって重要視されるモジュールは異なります。

そのため、導入する際は、自社ではどのモジュールがとくに必要かを分析することも重要です。

ERPはSAPのなかでも主流の統合基幹業務システム

SAPと関連する用語として、ERP(Enterprise Resources Planning)が挙げられます。

ERPは、広義の統合基幹業務システム・基幹システムを意味しています。

SAPはヨーロッパ最大級のソフトウェア会社、SAP社が開発したERPのひとつです。

SAP ERP6.0の標準サポートが2027年に終了予定

SAP社のERP製品であるSAP ERP6.0は、2027年に標準サポートが終了します。

基幹システムの移行はコストと時間がかかるため、システムを変更する際は、事前に計画を練ったうえで実行しなければいけません。

SAP ERP6.0のサポート終了に向けて、以下3つの対応策が考えられます。

  1. SAP S/4HANAへ移行
  2. サポート終了後も継続利用
  3. 他社ERPへ移行

3つの対応策のなかでも、「SAP S/4HANAへの移行」がおすすめです。

SAP S/4HANAであれば、従来の機能に加え、機能のシンプル化やクラウド化が実現しているため、経営の意思決定が迅速化します。

SAP S/4HANAへの移行をご検討している事業者様は、ご気軽に弊社へご相談ください。

SAP基幹システム導入の5つのメリット

SAP基幹システム導入のメリットは、主に以下の5つです。

  • 意思決定の迅速化
  • セキュリティの強化
  • 経営体制の構築
  • 業務の効率化
  • 運用負荷の軽減

SAPの各メリットについて、確認しましょう。

意思決定の迅速化

SAP基幹システムを利用することで、リアルタイムでの情報共有ができたり、データの一元化が可能になったりします。

生きたデータを見ることで、どこへの投資が必要か、どの事業を停止するかなども迅速に判断することが可能です。

結果として、経営における意思決定の迅速化が可能となります。

セキュリティの強化

万が一セキュリティ上の問題が発生すると、業務が滞り売上が低下するだけでなく信用問題にもつながります。

SAP基幹システムでは、ユーザごとにアクセス制限をしたり、作業履歴を残したりすることが可能です。

結果として、内部統制の強化やデータ改ざんの追跡などによるセキュリティの強化が可能となります。

経営体制の構築

SAP基幹システムでは、データの一元管理や分析により、担当者の勘や経験に頼らない標準化された経営体系を構築できます。

ビッグデータとの連携を行うことで、さらにデータドリブンな経営体制の構築も可能です。

業務の効率化

SAP基幹システムでは、各基幹業務が保有するデータを一元管理できるため、データの相違が発生しにくいです。

結果として、データの突き合わせにかかる時間を抑えられたり、突合ミスによる手戻り時間を回避できたりして、生産性の向上につながります。

また、販売管理業務と生産管理業務の共有による生産計画の精度における向上も期待できます。

運用負荷の軽減

SAP基幹システムの導入により、基幹業務を個別で管理する場合よりシステムの保守・運用にかかる負担の手間を省けます。

作業の負担が減ることで、運用コスト・人件費の低減だけでなく、コア業務へのリソースの集中が可能になります。

結果的に生産性の向上にもつながるでしょう。

SAP基幹システム導入時の注意点

SAP基幹システムを導入する場合、以下の3点に注意しましょう。

  • 導入コストを事前に把握する
  • 導入前に各部門とのすり合わせが重要
  • 導入時はコンサルタントの活用も検討する

それぞれの注意点について、解説します。

導入コストを事前に把握する

SAP基幹システムを導入するにあたって、企業規模によっては導入コストが高騰するリスクがあります。

大企業では、数十億円の投資になるケースもありました。

そのため、導入するにあたっては、費用対効果を検証しましょう。

導入前に各部門とのすり合わせが重要

SAP基幹システムを導入するにあたって、部門間での軋轢が生まれるリスクが高いです。

たとえば、経営企画部にとって数字を管理しやすいようにシステムを組むと、経理部の業務が煩雑になるケースが考えられます。

各部門との均衡を考えながら、全社的なメリットが大きくなるよう、経営戦略を踏まえて調整する必要があります。

導入時はコンサルタントの活用も検討する

SAP基幹システムは、ABAPと呼ばれる独自の言語で構築されているため、社内リソースで導入などを行えない可能性が考えられます。

そのため、スムーズな導入を実現するためには、SAP導入の知見があるコンサルタントを活用するのもおすすめです。

SAP基幹システム導入の成功事例

最後に、SAP基幹システムを導入して成功した事例を確認してみましょう。

  • 小木曽工業株式会社
  • 株式会社三井住友ファイナンシャルグループ
  • 株式会社ブリヂストン

自社でも導入するか検討する際に、参考にしてください。

小木曽工業株式会社

小木曽工業株式会社では生産管理システムを導入していたものの、そのシステムは工場ごとでデータ形式のばらつきがあり、結果として属人的な業務処理が必要になってしまっていました。

そこで採用したのがSAPです。

SAPの導入により属人化された業務が激減し、データ形式が統合されたことで「検索システム」「データ照合」が容易になりました。

データの検索がしやすくなったことで、経営資源に基づいた経営判断が可能になった事例です。

株式会社三井住友ファイナンシャルグループ

三井フィナンシャル・グループでは、多様化・高度化する顧客ニーズに対応するため、SAP基幹システムを導入しています。

顧客ニーズに対応するためには、各グループのビジネス形態や人事制度を尊重しつつ、全役職員のスキル・専門性・個性を一元的に把握し、経営戦略を行ううえでの人材交流や機能配置を行う必要がありました。

人事戦略を支えるインフラ環境を構築するため、およそ8か月をかけてSAPを導入したようです。

結果として、人材把握と人材育成をグループベースで行える環境が整備され、必要なタイミングで適切な人材を動員できる体制が整いました。

株式会社ブリヂストン

株式会社ブリヂストンでも、度重なるプログラムの回収でシステムの複雑化・点在化が起こり、人事管理が煩雑になっていました。

また、紙ベースでの申請・回覧が非効率との声もあったため、SAP基幹システムを導入し、課題を解決しています。

導入コンサルタントによる人事労務分野への高い知見を活用し、20か月にも及ぶプロジェクトの末システムを導入し、事務コストの削減・申請書類のWeb化によるペーパーレス化を実現しています。

まとめ

SAP基幹システムの導入にあたって、期間や費用が気になる方は多いかと思います。

たしかにSAPを導入する場合、企業の規模や業務内容によっては年単位のプロジェクトが必要だったり、数十億円規模の費用がかかったりします。

しかし、導入することで、経営の意思決定が迅速にできるようになり増収増益につながったり、業務効率が改善されたりするでしょう。

SAP導入を成功させるためには、導入コンサルの活用が不可欠です。

SAP S/4HANAへの移行ならノムラシステムへご相談ください。

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