SAPの導入企業事例10選(日本・世界)費用・導入失敗理由も紹介

SAP導入企業

事業規模の拡大や電子帳簿保存法への対応で、SAPの導入が注目されています。

働き方改革の推進で、業務の効率化が求められていることも理由の1つです。

本記事では、日本国内のSAP導入企業の数や日本国内外の導入事例10選に加え、SAPの導入費用や、導入に失敗した企業の失敗理由も紹介します。

SAPとは「経営資源を一元管理するシステム」

SAPとは?

本来、SAPとは「System Analysis Program Development」という会社名の略称ですが、最近ではSAP社が開発したERPシステムのことを「SAP」と呼んでいます。

ERPシステムとは「企業全体の経営資源を一元管理するシステム」のことです。

SAP社は、さまざまなERPシステムを提供しています。

< SAP社のERPシステム例>

  • SAP ERP 
  • SAP Business ByDesign 
  • SAP Business One 
  • SAP BW/4HANA 
  • SAP S/4HANA Cloud

SAPを導入した日本国内の企業事例8選

ここでは、SAPを導入した日本国内の企業事例を8つ紹介します。

  • アスクル株式会社
  • 小木曽工業株式会社
  • ヨネックス株式会社
  • 三井住友フィナンシャルグループ
  • キリンホールディングス株式会社
  • 株式会社ブリヂストン
  • 【弊社事例】ネットワンシステムズ株式会社
  • 【弊社事例】阪和興業株式会社

参考:パートナー別SAP認定コンサルタント資格取得数・資格者数|SAPジャパン

アスクル株式会社|事務用品の販売

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引用:アスクル株式会社

アスクル株式会社では仕入先から受領する請求書の管理において、紙とPDFが混在していたため、リモートワークを推進したくても出社が必要な状態でした。

そこで、請求書の支払承認プロセスの電子化を可能にする「S/4HANA」を導入したところ、忙しい決算の時期でも、経理部のリモートワーク実施率を50%近くに向上させることに成功しました。

また、経理部で紙の使用料を年間10万枚削減、伝票の印刷やファイリングにかかっていた180時間の業務を削減するなど、あわせて業務効率化も実現しています。

参考:SCSK – アスクル株式会社へ経理業務のデジタル化と効率化を支援|SCSK株式会社

小木曽工業株式会社|鉄鋼加工メーカー

小木曽工業

引用:小木曽工業株式会社

小木曽工業株式会社では、分散する生産管理システムの統合を重視したシステムを導入していたため、工場ごとに属人的な業務処理やデータ形式のばらつきがありました。

そのため、同システムの利用を続けていると、属人的な業務処理によるデメリットが散見され始めていました。

「SAP ERP」を導入したところ、一挙に属人化が解消され、データの精度や検索性も向上。

正確なデータに基づいた経営判断が可能になりました。

参考:導入事例:SAPソリューション – 小木曽工業株式会社様|株式会社日立システムズ

ヨネックス株式会社|スポーツ用品メーカー

ヨネックス

引用:ヨネックス株式会社

ヨネックス株式会社では、国産パッケージソフトと自社が作り上げたシステムを合わせて運用していました。

しかし、海外を含めたサプライチェーンの強化や業務効率化を考えると現行のシステムでは厳しいと判断し、SAP S/4HANAを導入しました。

現在もSAP S/4HANAの導入を通じたDXによって、抜本的な業務効率化やグローバル経営基盤の確立を目指しています。

参考:ヨネックスがSAPの次世代ERP「SAP S/4HANA®」の採用を決定|SAPジャパン

三井住友フィナンシャルグループ|金融機関

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引用:三井住友フィナンシャルグループ

三井住友ファイナンシャルグループでは、すでに行っているグループ間での人材交流や情報連携を一段と加速させることが課題でした。

この課題を解決するために導入したものが「SAP SuccessFactors」と「SAP Cloud Platform」を組み合わせた、セミオーダー型の人事プラットフォームです。

結果、グループ各社の人事情報を統合管理し、戦略的に活用できる環境を実現しました。

また、クラウドシステムのため、運用・保守の負担を大幅に削減できました。

参考:株式会社三井住友ファイナンシャルグループ様:導入事例|日本電気株式会社

キリンホールディングス株式会社|食品メーカー

キリンホールディングス

引用:キリンホールディングス株式会社

キリンホールディングス株式会社は、2027年までに「食から医にわたる領域で価値を想像し、世界のCSV先進企業となる」として、DX化を強く推進しています。

その一環として、経理・生産・物流の3領域でSAPを導入し、独自機能を最小限に「業務」をシステムに合わせることを選択しました。

例えば、これまで事業部門ごとに構築していたシステムを、SAPに合わせて全てクラウド環境に集約しています。

今後は、ECO事業などで蓄積している顧客データの連携にも取り組むとしています。

参考:キリングループのDXに関する取り組み|キリンホールディングス株式会社

株式会社ブリヂストン|タイヤメーカー

ブリジストン

引用:株式会社ブリヂストン

株式会社ブリヂストンでは、業務拡大に伴い販売物流システムの処理能力が限界を迎えていました。

この課題を解決したのが、すでに財務・会計システムで導入していた「SAP R/3」です。

ユーザーインタフェースは既存システムを踏襲したことで、全国で50の販売会社や500の営業所にストレスのない導入を実現しました。

また、業務のデジタル化やデータの一元化だけでなく、処理能力向上やインフラ統一によるビジネス拡大への対応を実現しています。

参考:株式会社ブリヂストン|アビームコンサルティング株式会社

【弊社事例】ネットワンシステムズ株式会社|システム開発

ネットワンシステムズ

引用:ネットワンシステムズ株式会社

ネットワンシステムズ株式会社では、販売・購買・会計・人事などが複数のシステムにまたがり運用されていたため、業務の複雑化や属人化、業務品質の低下が課題となっていました。

SAPを導入したことにより、社員データや原価組織などの業務データがリアルタイムに連携できるようになり、全社的な業務効率化を実現しました。

また、外部システムやExcelなどを用いて管理していたデータも全て、SAPで管理できるようになったことで人事業務の標準化にもつながりました。

参考:導入事例|ネットワンシステムズ株式会社|株式会社ノムラシステムコーポレーション

【弊社事例】阪和興業株式会社|商社

阪和興業株式会社

引用:阪和興業株式会社

阪和工業株式会社では、人事情報は担当役員や人事部のみが閲覧可能で、データの抽出分析も人事部が担当していました。

企業規模の拡大によって、既存の人事システムでは体系的な人材管理が難しくなったことで、システムの刷新を決意しました。

すでに採用が決まっていた「SAP S/4HANA」や「SAP Concur」との連携も考慮しながら、状況打開のために選んだシステムは「SAP SuccessFactors」です。

人事情報をはじめ給与や目標管理、研修までの一元管理が可能になり、業務効率が大幅に改善されました。

参考:導入事例|阪和工業株式会社|株式会社ノムラシステムコーポレーション

SAPを導入した世界の企業事例2選

SAPは世界各国で404,000社以上の企業が利用しています。(2018年9月時点)

ここではSAPを導入した世界の企業事例を2つ紹介します。

  • ケルンメッセ
  • Carhartt

参考:SAPジャパン、多様な業種・業界・企業規模でSAP S/4HANA®の導入が浸透|SAPジャパン株式会社

ケルンメッセ|イベント運営

ケルンメッセ

引用:ケルンメッセ

毎年世界中で数千ものイベントを開催するケルンメッセでは、膨大な業務を手作業で行っていました。

猛烈な速度で変革が進行する見本市ビジネスで最前線に立つために、業務プロセスのデジタル化が課題でした。

課題を解決するために導入したものが、SAP Commerce CloudとSAP Sales Cloudです。

業務の自動化によって出展者による申し込みの労力削減に加え、見本市プロセス全体で業務が円滑化し、出展企業の再出展が増加しています。

参考:SAPとケルンメッセ社の成功事例|SAPジャパン株式会社

Carhartt|アパレル

カーハート

引用:Carhartt

Carharttは、アパレル商品を販売する企業です。

これまでEC販売も行っていましたが、ブラックフライデーやサイバーマンデーなどのイベントで注文が増加すると、サイトの読み込みが遅くなり、商品の購入を予定していた顧客が離れてしまうという悩みを抱えていました。

そこで「SAP Commerce Cloud」を導入したところ、サイト全体がすぐに読み込まれるようになり、注文数の増加に関わらずスムーズな購入を実現。

今後は、オンラインで購入した商品がすぐに店舗で受けとれるようなシステムを計画しています。

参考:カーハート:新しいeコマースエクスペリエンスに基づいて成長する消費者ベースの期待を超える|SAPジャパン株式会社

SAPのパートナー企業一例

SAPパートナーとは、企業のSAPソリューションの設計や開発、導入運用などを支援する存在です。

SAPからの認定を受けて初めてパートナーと名乗ることができます。

SAPのパートナーには下記の4種類があります。

  • 構築パートナー:企業独自のアプリケーション開発支援
  • 販売パートナー:SAPソリューションの販売や導入支援
  • サービスパートナー:SAP ソリューションの設計、開発、導入、統合を支援
  • 運用パートナー:SAP ソリューションの設計から導入、統合までを支援し、コンサルティングおよび導入サービスの提供

下記のような企業がSAPからパートナー企業として認められています。

  • アクセンチュア株式会社:世界でもトップクラスの実績を持つSAPパートナー
  • 株式会社アイ・ピー・エス :中堅中小企業様向けのSAPパートナー
  • 株式会社ノムラシステムコーポレーション:認定コンサルタント220名が在籍するSAPパートナー

参考:SAPとのアライアンス|アクセンチュア株式会社

参考:SAPとのアライアンス|株式会社アイ・ピー・エス

参考:SAP社との歩み|株式会社ノムラシステムコーポレーション

企業がSAPを導入する際の費用は企業規模・種類で異なる

SAPは導入する企業によって必要な機能や規模が異なるため、一概に導入費用を算出することができません。

ただ、SAPも費用の削減に取り組んでいます。

従来のSAP製品は、すべての機能が一つになったパッケージのみを販売していたため、企業によっては必要ない機能の分の代金を支払うことになっていました。

しかし、現在は企業がニーズに合わせて個別に機能を選べる「モジュール方式」を採用しています。

不要な機能を排除することができるため、必要な機能のみの代金を支払うことが可能です。

どの機能にどれくらいの費用がかかるのかを確認したい場合は、見積もりを出してもらいましょう。

合わない?企業がSAPの導入に失敗する理由

SAPを導入して業務効率化につなげた企業がいる一方で、運用を途中で断念してしまう企業も存在します。

失敗してしまう理由は下記のようなものが挙げられます。

  • 導入効果が感じられない
  • 操作が難しく業務効率化につながらない
  • データの連携がうまくいかない

成功する企業との違いは「長期的視点」と「明確な目的があるか」です。

SAPはやや操作が複雑であるため、導入後は一時的にミスが増加します。

研修会を開いても各自の理解度にバラつきが発生するため、全員が同じ操作レベルに達するにはある程度の時間が必要です。

一時的に起こるミスは仕方がないと覚悟し、長期的な目線で導入をしていく必要があります。

また「どの部分の作業を効率化したい」のかを明確にしておかなければ導入の必要性を感じなくなるのは、必然的でしょう。

導入前に、どの作業に時間が取られていて、課題を解決するためにはどのような機能が必要なのか、明確に社内で話しあっておきましょう。

SAPを導入して自社の業務効率化に役立てる

SAPを導入すれば、企業における全てのデータを一元管理してリアルタイムで確認できるため、迅速な経営判断や社員の業務負担を減らして業務が効率化できます。

ただし、導入目的や運用方法によっては費用が高額になる可能性もあります。

必要な機能をきちんと見極めなければなりません。

弊社ではSAP導入による業務効率化を徹底的にサポートしています。

導入を検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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