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BX(ビジネストランスフォーメーション)とは?DXとの違いや成功事例も紹介

DX推進が浸透するなかで、「BX」という言葉も耳にするようになりました。
しかし、BXがどのような取り組みを指すのか知らない方も多いでしょう。
本記事では、BXの概要やDXとの違い、BXを実現させるためのポイントなどを解説します。
BX(ビジネストランスフォーメーション)とは|ビジネスモデルの変革に取り組むこと

BX(ビジネストランスフォーメーション)とは、企業が価値創出や持続的成長を目指して、従来のビジネスモデルを変革する取り組みです。
戦略的かつ革新的な視点で、経営やビジネスモデル全体を根本的に見直すことがBXの本質といえます。
単なる業務効率化やデジタル化にとどまらず、従業員の意識改革や組織の再編、企業文化の見直しなどもBXの一環です。
近年では、ビジネス環境の変化やデジタル技術の進化に対応するために、BXの重要性がますます高まっています。
BXとDX(デジタルトランスフォーメーション)の違い
DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略称で、デジタル技術を活用して業務プロセスやビジネスモデルを変革し、競争力を高める取り組みです。
一方、BXはデジタル技術の活用に限らず、経営戦略や組織文化の変革などを含む、より広範なビジネス全体の変革を意味します。
デジタル活用に重きを置くDXは、BXを実現するための手段のひとつともいえるでしょう。
企業が持続的に成長するためには、単なるDX推進にとどまらず、ビジネスの根本的な変革を視野に入れたBXの視点が不可欠です。
DXの重要性が高まるなかで、ビジネス変革を成し遂げるには、BXとDXを適切に組み合わせて取り組むことが求められます。
関連記事:DX(デジタルトランスフォーメーション)の定義とは?
BXとCX(コーポレートトランスフォーメーション)の違い
CXは「コーポレートトランスフォーメーション」の略称で、組織体制や企業全体の価値観などを変革することに特化しています。
一方で、BXは、事業戦略や市場競争力の強化にフォーカスした取り組みです。
CXは「企業全体の構造改革」を通じて持続的成長やグローバル競争力の向上を目指すのに対し、BXは「ビジネスの変革」を通じて競争力を高めることを目的としています。
また、経済産業省の報告書「グローバル競争時代に求められるコーポレートトランスフォーメーション(2024年6月)」でも、グローバル市場での競争力強化のためにCXの必要性が指摘されています。
BXとCXは密接に関係しており、企業の成長を支える重要な要素といえるでしょう。
参考:「グローバル競争時代に求められるコーポレートトランスフォーメーション」(経済産業省)
BXの重要性
BXによりビジネスモデルを変革することが重要である理由には、以下が挙げられます。
- 市場環境やデジタル技術の変化へ適応するため
- 顧客体験を軸として新たな価値を創出するため
- 継続的な競争優位を生み出す基盤をつくるため
- 組織文化や働き方を変革するため
DX推進においては、デジタル技術の導入が目的化し、変革に結びつかないケースも少なくありません。
BXに取り組むことで、DXを含む幅広い視点でのビジネス変革に発展できます。
さらに、BXによる組織文化・人材の在り方の変革は、変化の激しい現代の市場環境に適応し、持続的な成長を実現するために欠かせません。
BXの実現に欠かせないポイント
BXを実現するには、以下のポイントを押さえることが大切です。
- 経営層のビジョンを明確にする
- 従業員全体にBXの重要性を周知させる
- 中長期的な戦略を策定する
経営層のビジョンを明確にする
BXは、従来のビジネスモデルを抜本的に変革する取り組みであり、経営層の明確なビジョンのもと、組織全体が一丸となって推進する必要があります。
経営方針が不明瞭なままでは、現場を担う従業員が具体的なイメージを持てず、変革への方向性が定まりにくくなるでしょう。
経営層がBXビジョンに対して責任を持ち、一貫したマインドセットでBXに取り組むことが重要です。
従業員全体にBXの重要性を周知する
現場を担う従業員が積極的にBXを推進するには、変革の必要性を自ら捉えることが不可欠です。
しかし、従来の業務プロセスに慣れている従業員のなかには、デジタル技術の導入や新たな業務プロセスに対して抵抗を感じることもあります。
以下が理解できると、BXにも自主的に取り組む意識が生まれやすくなるでしょう。
- なぜ変革が必要なのか
- 変革によって何が変わるのか
- どのように変革が進むのか
あわせて、BXやDXに不可欠なデジタル知識を学ぶ機会を設けると、従業員のデジタルリテラシー・DXリテラシーを高められます。
外部から専門講師を招く方法も効果的です。
関連記事:DXリテラシーとは?意味を詳しく解説!
中長期的な戦略を策定する
BXはビジネスを再構築する取り組みであるため、経済動向や消費者ニーズの変化、技術革新などのトレンドを的確に捉え、中長期的な戦略の策定が求められます。
BX実現に向けた戦略の実行には、経営層だけでなく、現場の従業員も含めた組織全体の見直しが不可欠である点も、長期的な計画を要するポイントです。
短期的な戦略だけでは、こうした変化に対応しながら持続的成長を実現することはできません。
将来的な変化にも柔軟に対応するためには、中長期的な視点を持ち、継続的に戦略を見直しながらBXを進めることが重要です。
BXの成功事例
BXに成功した事例を2つ紹介します。
みんなの銀行|デジタル技術を生かした新たな金融サービスの創出
みんなの銀行は、150年以上の歴史を持つふくおかフィナンシャルグループによって、従来の銀行の枠組みにとらわれない「デジタルバンク」として設立されました。
デジタル化が進むなか、将来的にはデジタルネイティブ世代が主要な顧客層となるため、既存の仕組み(実店舗中心の運営)ではニーズに対応しきれない可能性があります。
そこでみんなの銀行では、世界初のフルクラウド型銀行システムを構築し、サービス開始から2年で、デジタルネイティブ世代を中心に60万口座を獲得しました。
ビジネス環境の変化に速やかに適応したことが、ビジネスモデル自体をゼロから構築する変革につながっています。
株式会社バルカー|設備点検業務をデジタル化するプラットフォームを創出
株式会社バルカーでは、クラウドサービス「MONiPLAT」を開発し、創業96年の歴史においてはじめてSaaS事業に参入し、「日本DX大賞2024」のBX部門で大賞を受賞しました。
MONiPLATはこれまでにない設備点検プラットフォームで、企業の設備点検業務をデジタル化できるうえ、無料で利用開始できる点も斬新でした。
同社のBXの過程では、デジタルチームと事業部の連携を強化し、ワンチームでサービス開発に取り組んだ点も特徴です。
BXの意味を踏まえてDX推進に取り組もう
ビジネスモデルを根本から見直すBXは、DXを目的で終わらせることなく、新たな価値を創出して競争力を強化するために重要な取り組みです。
BXを実現するには、推進する目的や意図を明確にしたうえで、長い視野を持った戦略の策定が求められます。
また、従業員全体にBXの重要性を周知させて、主体的に働ける環境整備も必要です。
効率的にBXに取り組み、DXを推進させたい場合は、DXコンサルティングの利用がおすすめです。
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