コンサルタント記事
未経験からでも本質的な問題を解決する一人前のコンサルタントが育つ研修
- 話者:大平 裕一朗
- 所属:PMOコンサルティング事業部
「DXの現場」では、ノムラシステムコーポレーションのコンサルタントが、実際のプロジェクト経験をもとに、DXの現場で求められる考え方や仕事の進め方をお伝えします。
今回のテーマは、未経験から一人前のコンサルタントを育てる、ノムラシステムの研修と育成です。
私は、ノムラシステムコーポレーションで実際にお客様先のコンサル業務を行いながら、新入社員研修の講師も務めています。ITコンサルタントの仕事は、お客様の経営課題と向き合いながら、システムを通じて解決へと導くことです。コンサルティングや業界の未経験で入社する社員も少なくありません。だからこそノムラシステムが大切にしているのが、「丁寧に育てる」という姿勢です。
時間をかけて土台を作り、現場に出てからも周囲が支え合う育成の文化があります。そうした環境のなかから、お客様の課題に粘り強く向き合い、対話を重ねて解決まで伴走するコンサルタントが育っていきます。
他社と比べても長い研修がコンサルタントとしての土台を作る
ノムラシステムの研修期間は、他社と比べても長いほうだと思います。
入社後はまず全体研修からスタートし、ビジネスマナーや基本的なPC・Excelの操作を学び、後半ではプログラミング研修まで行います。
全体研修を終えた後も、すぐに現場へ出るわけではありません。3ヶ月かけて各プロジェクトへ配属され、配属先のチームでさらに詳細な知識を学ぶ「チーム別研修」を経たうえで、お客様の案件を担当します。
入社からプロジェクト参画までに、十分な時間をかけて土台を作る長い研修期間こそが、未経験者でも安心して一歩を踏み出せる理由です。
未経験でも置いていかない。SAP独自言語を全員で習得していく仕組み

プログラミング研修で扱うのは、ABAPというSAPを動かすための独自プログラミング言語です。SAP自体がABAPで構築されているため、SAPを扱う上では避けて通れない言語といえます。
ABAPは、書いた通りにプログラムが動く素直な言語です。とはいえ、未経験者にとって決してやさしいものではありません。私自身、入社時はプログラミングが得意ではなく、研修ではかなり苦戦しました。
研修では、進捗の早いメンバーと遅いメンバーで課題を分けることはせず、基本的に全員が同じ課題に取り組みます。大きく難易度が違うのは最終課題のみ。それ以外は経験者と未経験者を分け隔てず、同じスタートラインから一緒に習得していく仕組みです。
未経験から苦戦した経験があるからこそ、研修講師として、新人がどこでつまずくのかに気づき、その気持ちに寄り添えていると感じています。
答えはすぐに教えない。「調査する力」を育てるスタンス
研修で大切にしているのは、答えをすぐに教えないという姿勢です。
仕事をしていくなかで、常に上司に聞ける状態とは限りません。そのため、ある程度の調査力を新人のうちから身につけてほしいと考えています。
新人がつまずいたときには、まずネットでの検索や私たち講師が用意した資料で、自分から解決策を探してもらいます。それでも分からない場合は、対面で直接質問することもあれば、質問票(QA票)に困っているポイントを書き込んでもらい、研修講師である私が回答することもあります。
質問の方法をいくつか用意することで、聞きづらさから一人で抱え込んでしまう状況を防いでいます。
分け隔てのないコミュニケーションがノムラシステムのコンサルタントをつくる
ノムラシステムの社風で特徴的なのが、先輩後輩の垣根なく接することができる環境です。
特別な制度や工夫があるわけではありません。それでも、先輩の立場にある社員が後輩を緊張させない雰囲気を自然につくっており、それが社内全体に広がっています。
ノムラシステムはプロジェクトごとに異なる現場で働く形態のため、社内のコミュニケーションは意識しないと希薄になりがちです。だからこそ私自身も、しばらく話せていない後輩に声をかけたり、定期的に食事に誘ったりすることを心がけています。食事の場であれば業務の緊張感から離れられるため、後輩も身構えずに本音を出しやすくなります。
社内で培ったコミュニケーションは、お客様先や他ベンダーとのやり取りにも自然と表れます。直接顔を合わせて話すこと、対面でしか伝わらない空気感を大切にすること、普段からの積み重ねを欠かさない姿勢が、現場での円滑なやり取りには必要です。
経営課題を解決する逆算思考はプロジェクトの事例で学ぶ

コンサルタントの仕事は、ただシステムを導入するだけにとどまりません。お客様の経営課題そのものを解決することです。しかし、研修だけで「経営課題を解決する」感覚をすべて伝えることはできないので、研修では事例をもとに教えています。
実際のプロジェクトをもとに教えることで、新人は自分が何をしているのかをつかみやすくなります。私が研修で具体的なイメージを大切にしているのは、こうした理由からです。
また、研修中の課題は、いきなり完成形を求めるのではなく、いくつかのステップに分けて段取りを提示する形にしています。具体的には、新人が「ゴールは何か」「そこに到達するためにどの要素があるのか」「何をクリアすべきか」という一連の流れを意識しながら取り組めるようにしています。
そして、「経営課題を解決する」という抽象的な考え方を、具体的なプロジェクト事例に置き換え、進め方を一つずつ分解して伝えていく積み重ねが、コンサルタントとしての逆算思考を育てていきます。
事業部にこだわらず、手持ちを増やしマネジメント・リーダーへ
将来は、やれることをどんどん増やしていきたいと考えています。実際、現在は会計領域を担当していますが、案件のなかではシステムインフラやロジスティクスといった関連領域に触れる機会も増えました。会計とロジスティクスの両方の知識を持つことで、お客様の業務をより多角的にとらえられるようになります。
今後の目標は、コンサルタントとしてマネジメントやプロジェクトをリードしていく立場へ進むことです。きっかけは新人の頃に、直属の上司やこれまでお世話になった先輩方の働きぶりを間近で見たことでした。それを見て「今度は自分が、教わったことをこれから入社する後輩に還元していくべきだ」と強く思うようになりました。
これからは技術者として自身の「手持ちの武器」を増やして次のステージへ進むとともに、後輩の成長をサポートできるような存在になっていきたいと考えています。
