DXSAP

データウェアハウスとは?構成要素と構築の進め方、製品の選び方まで解説

SHARE
Digital Library Digital Library Digital Library Digital Library

データウェアハウスとは?構成要素と構築の進め方、製品の選び方まで解説

データウェアハウスの導入で成果が出るかどうかは、構築を始める前に、どの意思決定に使うのかを決め、指標の定義をそろえられるかで決まります。当社はSAPやERPの実装とレポート設計で、経営と現場で合わない数字を、計算式の元データまで戻して擦り合わせてきました。

本記事では導入を判断する順序で、定義から製品の選び方までを整理します。

データウェアハウスとは何か

データウェアハウスとは、意思決定のために複数の業務システムのデータを集約し、時系列で蓄積する分析用のデータベースです。販売や生産、在庫、会計の数値は共通の定義にそろえ、長期に保管します。

  • 主題指向で、売上や在庫などテーマ単位に整える
  • 統合により、システムごとの表記や単位をそろえる
  • 時系列で、過去から現在までの数値を残す
  • 非揮発性で、確定した実績は原則書き換えない

データウェアハウスは、業務システムのデータベースとは別に持つのが基本です。基幹システムは伝票入力や在庫更新を優先する設計で、数年分の横断集計では負荷が偏りやすくなります。

分析用の層を切り離せば、業務を止めずに過去や他部門と比較できます。IPAの資料も経済産業省のDXレポートを引き、事業部門ごとの既存システムでは全社横断のデータ活用ができない点を課題に挙げ、克服できなければ2025年以降に最大12兆円/年の経済損失が生じうるとしています。

当社はSAPやERPの導入と開発で、データウェアハウスの設計に携わってきました。

参考:DXの実現に向けた取り組み

関連記事:サイロ化とは?原因や解消した事例をわかりやすく解説

データウェアハウスと混同されやすい仕組みとの違い

混同されやすい仕組みとは、置き換えではなく役割分担の関係です。データウェアハウスは業務処理と分析のあいだの層にあり、業務データベースとデータレイクが上流、データマートとBIツールが下流を担います。

仕組み主な役割扱うデータの状態データウェアハウスとの関係
業務データベース日々の取引を記録する更新され続ける最新値統合前のデータの供給元
データレイク加工前の生データを蓄える未加工のものも含め多様整える前の生データ置き場
データマート部門や用途別に切り出す用途に絞った集計済み用途別に切り出す下流の層
BIツール可視化と分析操作を担う整ったデータで精度が出る統合済みデータの表示先

BIツールを入れれば数字が見えるという誤解が多いです。BIツールの画面は早く用意できても、映す元データを整える工程は別に必要です。

元データを整える工程が抜けると、部門ごとに計算式や粒度が違い、数字が合いません。当社はBIツール選定より先に、数値の定義から決める順序でご提案します。

データウェアハウスの構成要素と処理の流れ

データウェアハウスの構成は次の4つです。設計は上流から順に固めます。

構成要素役割設計で決めること
データソースERP・生産管理・販売管理の元データ会計や現場の管理表を含む取得範囲
連携処理・ETLとELTデータを抽出し連携する変換をどの層で行うか
データモデルと格納層統合した数値を保持する粒度と履歴の持ち方
レポーティングと可視化層経営と現場に数値を届けるExcelかBIかを先に決める

ETLは変換してから格納し、ELTは格納してから変換します。変換を前に置けば格納層は整いやすく、変換を後に置けば元データを残して定義変更に対応しやすくなります。

可視化層はExcelとBIのどちらを主役にするかで、格納層の粒度が決まります。当社は経営計画や連結会計のSAP BPC開発で、現場が使い慣れたExcelを活かす実装に携わってきました。

起点はERPなどの基幹システムです。

関連記事:ERPと基幹システムの違いとは?導入のメリットやおすすめ企業も紹介

データウェアハウスで解決できる経営課題

データウェアハウスが効くのは、同じ売上や在庫でも部門ごとに集計元が違う状態です。会議の時間は数字の突き合わせに消えます。

  • 部門ごとに数字が違う状態を解消する
  • 月次の集計待ちによる判断の遅れを防ぐ
  • 計画と実績を同じ粒度で突き合わせる
  • 製造実績を原価と在庫の判断につなげる

経営は事業別の利益で見たいが、入力は伝票や工程の単位で、集計に手作業が残ります。

IPAの調査では、DXの成果が出ている日本企業は、全社または事業部門でデータを利活用していると回答した割合が70%を超えています。

当社は生産管理や在庫管理、経営計画や連結会計の開発実績をもとに、経営と現場の数字のズレを統合するレポートを設計します。

参考:「DX動向2025」日米独比較で探る成果創出の方向性「内向き・部分最適」から「外向き・全体最適」へ

関連記事:データドリブン経営とは? メリットや成功のポイント、注意点を解説

データウェアハウス構築の進め方

データウェアハウス構築は下記のように進めていくことがおすすめです。

  • Step1 経営課題と意思決定の単位を決める
  • Step2 指標とデータ定義を統一する
  • Step3 データソースとデータモデルを設計する
  • Step4 スモールスタートで作り現場で検証する
  • Step5 運用・内製化の線引きを決める

Step1 経営課題と意思決定の単位を決める

Step1で決めるのはデータではなく意思決定です。誰がどの周期でどの判断に使うのかを先に固めないと、集めるデータの範囲も粒度も決まりません。

月次の経営会議で事業別の採算を見るのか、週次で在庫の滞留を見るのか、日次で受注の進捗を追うのかで、必要な数字は変わります。

当社はStep1で経営課題の整理から入ります。解きたい課題を言葉にし、判断に効く指標だけを最初の対象に絞れば、構築範囲の膨張を避けられます。

Step2 指標とデータ定義を統一する

Step2でそろえるのは、部門ごとにばらついた指標の定義です。同じ売上でも、営業部門は受注時点、経理部門は検収や請求時点で数えることがあります。

定義がずれたままデータを集めると、レポートは現場で信用されません。売上の計上基準、在庫の評価方法、原価の配賦ルール、締めの期間は、部門間で解釈が分かれます。

当社はズレを防ぐため、計算式の元データまで遡って関係部門と擦り合わせます。そろえた定義は一覧に残し、更新の担当を決めます。

定義の統一を飛ばすと、後工程の設計がやり直しになります。

Step3 データソースとデータモデルを設計する

Step3で決めるのは、データの粒度と履歴の持ち方です。データを明細で持つか日次集計で持つかで、遡れる分析の幅と保管コストが変わります。

一次情報とする業務システムとテーブルも、Step3の検討範囲です。組織や価格の改編を履歴として残すかどうかも、粒度と合わせて確定させます。

当社はFit to StandardとFit & GAPの考え方を踏まえ、SAPの標準テーブルと標準抽出で足りる粒度と履歴を見極めます。標準で持てない明細粒度や改編履歴は、作り込む範囲として線引きします。

関連記事:失敗しないためのFit to Standardの進め方とは?

Step4 スモールスタートで作り現場で検証する

Step4で有効なのは、小さく作って現場に使ってもらう進め方です。先に完成形を作り込むと、開かれないレポートに工数を費やしかねません。

一つの判断に絞って動くものを出し、使われ方を確かめてから広げれば手戻りは小さくなります。当社は現場の担当者にも、指標の切り口や見せ方がずれていれば方向転換を直接お伝えします。

作ったものを守るのではなく、判断に効かなければ作り直す前提が必要です。作り直す割り切りを発注側と当社が共有できているかが、使われる仕組みになるかを分けます。

Step5 運用・内製化の線引きを決める

Step5で決めるのは、作った後の役割分担です。運用の担い手、マスタの管理部門、参照権限、改修の担当が曖昧なまま本番を迎えると、定義の更新が止まり、数字の信頼が落ちます。

当社は担い手と参照権限の整理を、業務プロセス最適化と同じ枠組みで検討します。内製化を目指す場合は、社内で担えるようになるまで当社が伴走します。

定義変更を誰の承認で反映するかを含め、社内で担う範囲と当社が支える範囲を先に決めておけば、運用開始後の停滞を避けられます。

データウェアハウス製品の選び方

出発点は機能の一覧ではなく、基幹システムとの連携方式と運用の担い手です。当社は、データの追加と定義変更を誰が続けるかを決めてから製品を選びます。

  • クラウド型とオンプレミス型は運用要員で決める
  • クラウド型は容量を後から増やせる
  • 基幹システムとの標準連携の有無を確かめる
  • 費用は初期と運用に工数も足して比べる

クラウド型にはSnowflake、Google BigQuery、Amazon Redshift、Azure Synapse Analyticsがあり、オンプレミス型はデータを社内に置く要件向けです。

当社は大手コンサルティング会社やSIerと協業し、SAPを含む基幹システムの開発に携わってきました。当社は取り出せる数値と単位を業務側と確かめ、判断材料をそろえます。

データウェアハウスを構築するならノムラシステムコーポレーション

データウェアハウスは、業務システムに散らばるデータを判断のために統合し、時系列で蓄える基盤です。データレイクやデータマートとは役割が異なり、収集、蓄積、加工、活用をそろえて初めて、部門ごとに数字が合わない状態を解消できます。

構築の成否は、目的の定義、指標と計算ルールの合意、基幹システムとの役割分担という工程を順に踏めるかで決まります。製品選定の基準は、定めた指標を誰がどの単位で使うかです。

当社は経営課題の解決を起点に、SAPやERPの導入と開発、経営計画や連結会計のレポート設計に実績があります。大手コンサルやSIerとの協業でも、当社が計算式の元データまで擦り合わせ、PMOとして伴走します。

見たい指標、接続する基幹システム、現状の集計手順をお持ちいただければ、構想段階からご相談いただけます。

データウェアハウスに関するよくある質問

データウェアハウスとデータベースの違いは何ですか

業務データベースは日々の処理を回す仕組み、データウェアハウスは判断のための仕組みで、目的が違います。業務データベースは処理を止めずに最新の状態を保ち、データウェアハウスは実績を履歴として残します。

同じ売上でも、業務データベースは1件の処理の記録に、データウェアハウスは期間や部門をまたいだ比較に向きます。

中小企業にもデータウェアハウスは必要ですか

データウェアハウスの必要性は、企業規模より部門をまたいだ数字の突き合わせが必要かで決まります。販売と在庫と会計の数字を毎月人手でつないでいるなら、小規模でも検討に値します。

規模が小さい場合は、対象を一つの判断に絞る選択もあります。当社は人手でつなぐ作業がどの判断を遅らせているかを確かめ、範囲を決めます。

データウェアハウスの構築期間と費用の目安はどれくらいですか

構築期間と費用は対象範囲とデータソースの本数で変わり、一律の相場は示せません。費用は一般に初期構築費と運用費に分かれ、従量課金型のクラウドではデータ量と処理量に応じて運用費が変動します。

見積もりは対象の指標と接続先を絞った段階で精度が上がります。当社は小さな構築から始め、段階的に広げる進め方をご提案します。

東京MXの番組で、ノムラシステムコーポレーションが取り上げられました。詳しい内容を知りたい方は、ぜひ下記のYouTube動画をご覧ください。

ノムラシステムコーポレーションの紹介動画


お問い合わせはこちら

SHARE
Digital Library Digital Library Digital Library Digital Library