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DXにはどのような種類があるのか?成功させるポイントまでを解説

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DXにはどのような種類があるのか?成功させるポイントまでを解説

DXにはどのような種類があるのか?成功させるポイントまでを解説

「DXの種類を一覧で説明してほしい」と経営層から問われたとき、説明が噛み合わずに困ることがあります。原因のひとつは、DXの分類が「経済産業省が定義する3段階」と「実務で使われる5分類」の2系統あり、両者が混在したまま語られているからです。

本記事では両者を分けて整理し、関係性と自社への当てはめ方までを示します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の種類とは?

DXの種類には、複数の分類方法があります。代表的なものは、経済産業省が定義した3つの段階(3分類)と、実務の現場でよく使われる5つの種類(5分類)です。

3つの段階は「進化の深さ」を表すフェーズ分類で、現場で使われる5つの種類は「変革の対象領域」を表す分類です。

ところが実際には、経産省の3段階と実務の5分類を混同したまま「DXとは〜の種類があります」と並列に語られるケースが少なくありません。結果として、経営層と現場で前提がずれたままDX計画が進み、DXが現場に定着しないこともあります。

経産省が定義するDXの3つの段階

経済産業省は、DXに至るまでの過程を3段階に整理しています。

段階名称内容具体例
段階1デジタイゼーション(Digitization)アナログ情報をデジタル形式に変換する紙の伝票をPDF化、押印を電子サインに置き換える
段階2デジタライゼーション(Digitalization)業務プロセス全体をデジタルで再構築する経費精算ワークフロー、SFA/CRM導入、RPAによる自動化
段階3デジタルトランスフォーメーション(DX)ビジネスモデル・組織・文化を変革するデータを起点とした新規事業創出、サブスクリプション化、顧客接点の再設計

3つの段階には順序があります。デジタイゼーションが進まないままデジタライゼーションを進めても、紙ベースの慣行が残り、データの粒度が揃いません。同様に、デジタライゼーションが部門単位で止まっていると、ビジネスモデル変革(DX)には到達できません。

経済産業省『デジタルガバナンス・コード2.0』では、最終段階のDXを次のように定義しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

「製品・サービス・ビジネスモデルの変革」と「組織・プロセス・企業文化の変革」の双方が含まれている点が重要です。

参考記事:経済産業省『デジタルガバナンス・コード2.0』

参考記事:経済産業省『DXレポート2 中間取りまとめ』

実務でよく使われるDXの5種類

経産省の3段階が「進化の深さ」を表すのに対し、実務では「どの領域を変革するか」で分類されることが多くなっています。ここでは代表的な5分類を順に整理します。

  • 業務プロセスのDX
  • 製品・サービスのDX
  • 顧客体験(CX)のDX
  • サプライチェーンのDX
  • 組織・働き方のDX

業務プロセスのDX

業務プロセスのDXとは、社内の業務フロー(受発注・経理・人事・購買・在庫など)をデジタル技術で再設計し、効率化・標準化・自動化を進める取り組みです。経産省の3段階で言えば、デジタライゼーションの領域です。

代表的な施策には、経理領域での請求書受領・経費精算のクラウド化や月次決算の早期化、人事領域での勤怠・労務手続きの電子化、受発注領域での基幹システム(ERP)刷新やSAPなどによる業務プロセス標準化があります。

業務プロセスのDXにより、業務時間とコストの直接的な削減、入力・転記ミスの削減と内部統制の強化といったメリットがあります。

製品・サービスのDX

製品・サービスのDXとは、自社が顧客に提供する製品・サービスそのものを、デジタル技術で機能拡張・収益モデル転換・新規創出する取り組みです。たとえば、ハード製品にIoTセンサーを内蔵して稼働データを収集し、保守サービスを付加するなどの取り組みです。

これにより、売上拡大と新たな収益源の獲得が見込めます。製品・サービスのDXによって、単発販売から継続課金(ストック型)への転換や、競合との差別化・模倣困難性の向上といったメリットも期待できます。

顧客体験(CX)のDX

顧客体験DXは、Web・店舗・コールセンター・アプリといった顧客接点をデジタル技術で統合し、購買前後の一貫した体験を設計する取り組みです。マーケティング・営業・カスタマーサポートの各領域が中心になります。

具体的には、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)で顧客データを統合し、MAツールでパーソナライズ施策を実行する仕組みが挙げられます。

期待できる効果は、顧客LTV(生涯価値)の向上と顧客離反率の低下です。マーケティング・営業のROIを可視化し、最適化につなげられる点も大きな利点になります。

サプライチェーンのDX

サプライチェーンDXは、調達・生産・物流・販売までの一連の流れをデジタル化し、需要予測・在庫最適化・トレーサビリティ向上を実現する取り組みです。製造業・流通業で特に重視される分類です。

代表的な施策には、需要予測AIによる発注最適化と在庫圧縮、IoT・センサーを使った工場・倉庫のリアルタイム可視化があります。取引先とのEDI/API連携による発注・出荷データ共有や、ブロックチェーンを使った原材料トレーサビリティも実装が進んでいます。

導入によって、在庫コスト・物流コストを抑えられ、欠品や過剰在庫のリスクも下げられます。

組織・働き方のDX

組織・働き方DXは、社員の働き方、組織構造、意思決定プロセスをデジタル技術で再設計する取り組みです。経産省定義の「組織・プロセス・企業文化の変革」と直接対応する領域です。

施策の例としては、リモートワーク・ハイブリッドワーク基盤の整備や、社内コミュニケーション基盤(Microsoft 365/Google Workspace/Slack 等)の統一があります。タレントマネジメントシステムによる人材データの可視化、データドリブンな意思決定文化の浸透、KPIダッシュボードの全社共有なども進んでいます。

組織・働き方のDXを行うことで、人材確保力と定着率の向上、意思決定スピードの向上、全社的なデータリテラシーの底上げといったメリットがあります。

企業がDXを推進するメリット

DXを推進することで得られるメリットは、以下があります。

  • 業務効率化とコスト削減
  • 売上拡大と新規事業の創出
  • 顧客体験の向上とLTV増加
  • 在庫・物流の最適化によるキャッシュフロー改善
  • 人材確保力と組織レジリエンスの向上
  • データに基づく意思決定の高速化

これらは単独で効くものではなく、互いに連動します。例えば、業務プロセスDXで社内データの粒度を揃えることが、顧客体験DXの精度を上げる前提条件になります。サプライチェーンDXで在庫データがリアルタイム化されると、需要予測と組み合わせて初めて顧客体験の改善に到達します。

メリットの定量化については、最終的に「経営課題のうち何を何%改善できるか」というKPIに落とし込むことが可能です。

DXを成功させるポイント

DXは導入で終わる取り組みではなく、定着や運用ができるかどうかが重要です。ノムラシステムコーポレーションの考え方に沿って、成功のポイントを整理します。

ポイント1:システム導入ではなく「経営課題の解決」を起点に置く

DXプロジェクトで最も多い失敗は、「RPAを入れる」「ERPを刷新する」といった手段から議論が始まってしまうことです。手段先行で動くと、本来解くべき経営課題と施策がねじれ、PoC止まり・部分自動化止まりで終わりやすくなります。

ノムラシステムコーポレーションが共通言語としているのは「システムを入れることではなく、経営課題を解決すること」という考え方です。プロジェクト開始前に、解決すべき経営課題と、そのために変えるべき業務プロセスをセットで定義することが、DX全体の方向性を決めます。

関連記事:ITコンサルは“技術だけ”じゃない。支援に入り、感じたDXが失敗する本当の理由

ポイント2:「Fit to Standard」で業務プロセスから整える

SAPなどのERP導入では、業界標準のプロセスに業務を合わせる「Fit to Standard」という考え方があります。日本企業はカスタマイズ志向が強く、現行業務をそのままシステムに移し替えがちですが、過剰なカスタマイズはアップグレード負荷とコストの両方を引き上げてしまいます。

業務プロセスのDXに着手する際は、自社のこれまでのやり方を当然の前提とせず、「標準プロセスに寄せられる部分はどこか」「業務固有でどうしても残すべき部分はどこか」を切り分けることが、後の保守・運用負荷を減らす条件になります。

ポイント3:経営と現場の「数字のズレ」を埋める対話を仕組み化する

DXで頻発するのが、経営層が見る数字と、現場の数字がずれる状況です。要因は単純で、計算式の元データや集計の粒度が部署ごとに違うまま、最終帳票だけが共通化されていることが多くあります。

ノムラシステムコーポレーションでは、こうしたズレを防ぐために、案件によっては計算式の元データレベルまで顧客と擦り合わせることもあります。経営と現場の意思決定を同じ数字でつなぐためには、表面のレポート設計ではなく、その下のデータ定義から合意することが効果的になります。

参考記事:観光業志望からITへ。顧客と向き合いながら“数字を動かす”BPC開発の現場

ポイント4:定着・運用を担う人材と仕組みを先に確保する

導入そのものが完了しても、現場で使われずに放置されるシステムは少なくありません。DXを成功させるには、運用開始後の「定着化」を担う人材と仕組みを、導入前から設計しておく必要があります。

定着化の論点は、ユーザー教育、運用ルール、ヘルプデスク体制などを含みます。

関連記事:チェンジマネジメントとは?意味・目的・メリットをわかりやすく解説

関連記事:チェンジマネジメントのフレームワークとは?特徴と事例で学ぶ成功のポイント

ポイント5:プロジェクトを動かす「踏み込み力」を持つパートナーを選ぶ

DXプロジェクトでは、ベンダー任せにしていると、経営層・現場・システム部門の認識がそれぞれ別方向を向いたまま進む状況が起きやすくなります。

ノムラシステムコーポレーションが現場で求められてきたのは、「ここまでやるのか」と驚くレベルの踏み込み方です。エンドユーザー(現場の人)にも「方向性を変えた方がいい」と直接伝えられる距離感と、大手コンサル・SIerとの協業実績の両方を持つパートナーが、プロジェクトの軌道修正役として機能します。

関連記事:プロジェクト統合マネジメントとは?重要性・管理対象・手順を解説

DXの種類に関するよくある質問(FAQ)

Q1. DXとIT化(デジタル化)の違いは何ですか?

IT化は紙やExcelをデジタルに置き換える段階(経産省定義の「デジタイゼーション」)を指すことが多く、業務プロセスや組織は従来のまま残ります。DXはその先で、業務プロセス・ビジネスモデル・組織文化まで変革する段階を指します。3段階で言えば、IT化は第1〜第2段階、DXは第3段階に位置づくと理解すると整理しやすくなります。

Q2. 中小企業はどのDX種類から着手すべきですか?

中小企業の場合、データの土台が整っていないケースが多いため、まず業務プロセスのDXから入り、社内データの粒度・形式を揃えるところから始めるのが現実的です。組織規模が小さい分、組織・働き方のDXと並行することも可能で、ツール統一とリモートワーク基盤整備が効果を出しやすくなります。製品・サービスDXやサプライチェーンDXに進むのは、データ基盤が整った後で構いません。

Q3. 経産省の3段階と実務の5分類はどう使い分ければよいですか?

3段階は「自社が今どこにいるか」を診断するための物差し、5分類は「次に何を変革するか」を決めるための地図、と捉えると使い分けやすくなります。たとえば、3段階で自社が「デジタライゼーション止まり」と診断できたら、次にどの5分類(業務プロセス/製品・サービス/顧客体験/サプライチェーン/組織・働き方)に取り組むかを決める、という流れになります。

Q4. DX推進にはどんな人材が必要ですか?

DX推進には、主に次の4種類の人材が必要になります。

  • 経営課題を翻訳して業務要件に落とすビジネス側の人材
  • 業務プロセスを設計・標準化する人材
  • データ基盤やシステムを構築する技術人材
  • 導入後の定着化を担う人材

すべてを内製で揃えるのが難しい場合は、業務プロセス設計と定着化を外部パートナーに依頼し、社内には「経営課題の翻訳役」と「データ活用の運用担当」を置く構成が現実的です。

Q5. DXは何から効果を測定すればよいですか?

最初は守りのDX(業務プロセスのDX)の指標から測定するのが分かりやすくなります。具体的には、月次決算の所要日数、伝票処理件数、入力ミス件数、業務時間といったKPIです。攻めのDX(製品・サービスのDX/顧客体験のDX)は効果が出るまで時間がかかるため、PoC段階で「何が成立すれば本格展開するか」の判断基準を先に定めておくと、意思決定が滞りません。

自社に最適なDXを進めるならノムラシステムコーポレーション

DXの種類は、進化の深さを表す経産省の3段階(デジタイゼーション/デジタライゼーション/DX)と、変革対象を表す実務の5分類(業務プロセス/製品・サービス/顧客体験/サプライチェーン/組織・働き方)のことです。

自社で取り組む際は、3段階のどこに位置するかを把握したうえで、5分類のどの領域から着手するかを順に決めることが必要です。最初に手を付けやすいのは、データの土台になる業務プロセスのDXか組織・働き方のDXで、進め方の核心は手段ではなく経営課題から逆算することに集約されます。

ノムラシステムコーポレーションは、DX化の支援や「経営課題解決」を軸にしたコンサルティング思想を併せ持ち、経営課題に対する支援を一気通貫して行っています。気になった方はぜひ、お問い合わせください。

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