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経営課題の見つけ方|現場の実態から本質的な課題を掘り起こす手順とフレームワーク
本質的な経営課題を見つけるには、現場の実態を踏まえて業務を可視化し、表面化している問題とその原因を整理することが必要です。売上減少や人手不足などの症状だけを追うと、解くべき課題を取り違えてしまいます。
本記事では、経営課題が生まれる原因や潜む領域、見つける手順とフレームワーク、実務で本質を捉えるコツを解説します。
本質的な経営課題は、現場の実態を可視化して問題を特定することで見つかる
本質的な経営課題は、現場の業務を可視化し、起きている問題と原因を切り分けることで見つかります。売上減少や人手不足は結果として現れる症状であり、その背景を掘り下げて解決テーマとして言語化したものが経営課題です。ノムラシステムでは、システム導入を目的にせず、現場の実態や数字を確認しながら、まず解くべき課題を定義します。
企業が経営課題に陥る6つの原因
経営を圧迫しやすい6つの問題を自社の状況と照らし合わせると、見落としていた課題の兆候を捉えやすくなります。
経営を圧迫する6つの問題
| 原因 | 概要 |
|---|---|
| 利益の低下 | 売上停滞やコスト増で利益が縮小 |
| 人材不足・流出 | 採用難や離職で必要な人材を確保できない |
| 人材育成の難化 | 教える人や時間が不足し育成が進まない |
| 労働生産性の低さ | 属人化や非効率な業務で成果が伸びない |
| 物価高騰による経費増 | 原材料・エネルギー価格が利益を圧迫 |
| 設備投資の不足 | 資金制約で将来への投資が後回し |
公的データから課題の兆候を確認する
帝国データバンクによると、2025年1月に正社員不足を感じる企業は53.4%に達しました。中小企業白書でも設備投資の伸び悩みが指摘されており、公的データと自社の状況を照らし合わせることで、優先して確認すべき問題を絞り込めます。
参考:人手不足に対する企業の動向調査(2025年1月)|帝国データバンク
経営課題が潜む4つの領域
経営課題を漏れなく見つけるには、原因を4つの領域に分けて眺めるのが有効です。領域ごとに典型的な症状を知っておくと、どこを見れば課題に気づけるかがはっきりします。
ヒト・組織
業務が特定の人に偏る属人化や、部門ごとの部分最適が典型です。担当者が抜けると業務が止まる、部門間で目標が食い違うといった兆候が出ていれば、この領域に課題が潜んでいます。
業務プロセス
手戻りの多さ、二重入力、承認の停滞が代表的な症状です。同じ情報を何度も入力している、決裁待ちで業務が滞留しているなら、プロセスそのものを見直す余地があります。
数字・財務
判断に使うKPIが未整備で、集計が月次でしか見えない状態は課題のサインです。経営が必要なときに必要な数字を見られないと、意思決定が遅れます。
IT・システム
基幹システムのブラックボックス化や、部門ごとのデータ分断が起きやすい領域です。古い仕組みが事業のスピードを奪っているなら、基幹システムの見直しが課題になります。ERPの全体像は関連記事で解説しています。
参考記事:ERPとは?システムの選び方から導入の流れ、ERP成功事例も紹介
経営課題を見つける4つの基本ステップ
経営課題は、あるべき姿を先に描き、実態としての現状を把握し、そのギャップを課題として抽出し、優先順位をつける、この4つのステップで見つけます。順番を守ることが精度を左右します。
Step1 あるべき姿を描く
理想像は「システムを導入する」ではなく、解決したい経営課題と、導入後に現場がどう変わるかから逆算して描きます。経営層と現場で目的を共有し、3年後の業務、意思決定、成果を具体化します。実現可能性や現場への定着まで含めて定義することが重要です。
Step2 現状を実態で把握する
ここでいう建前とは、マニュアルや規定に記載された正式な業務手順です。実態を把握するには、担当者へのヒアリングだけでなく、実際の操作やデータの流れを見せてもらい、日常のやり取りから例外処理も確認します。現場に入り込み、認識をこまめに擦り合わせることが重要です。
Step3 ギャップを課題化する
As-IsとTo-Beを並べ、差が生じている業務や組織、データを特定します。そのうえで「なぜ差が埋まらないのか」を対話と事実確認で掘り下げ、原因と解決後の状態を一対一で結び付けます。お客様の要望をそのまま課題にせず、背景にある目的まで確かめて言語化します。
Step4 優先順位をつける
優先順位は、経営への影響、緊急度、実行可能性に加え、後工程や他部門への影響で判断します。ノムラシステムでは、お客様にとっての重要度を確認しながら、遅れると全体が止まる課題を先に進めます。判断根拠と対応範囲を関係者で共有し、納得できる順番に整えます。
経営課題の発見に使えるフレームワーク
フレームワークは課題を見つける思考の型です。網羅して使うのではなく、目的に合わせて選ぶことが大切です。
代表的なフレームワークを比較する
| フレームワーク | 概要 | 解決できる問題 | 期待される効果 |
|---|---|---|---|
| As-Is/To-Be分析 | 現状と理想を比較する | 課題の所在が曖昧 | 優先すべきギャップを可視化 |
| ロジックツリー | 課題を要素に分解する | 原因が複雑で整理できない | 真因と検討範囲を整理 |
| SWOT分析 | 内外の環境を整理する | 強み・弱みと市場変化が結び付かない | 戦略課題を明確化 |
| 3C分析 | 市場・競合・自社を比較する | 顧客価値や競争上の課題が曖昧 | 打ち手の方向性を整理 |
| ビジネスモデルキャンバス | 事業構造を9要素で把握する | 収益・顧客・業務のつながりが見えない | 事業全体の改善点を可視化 |
As-Is/To-Be分析を起点に使い分ける
起点になるのはAs-Is/To-Be分析です。現状とあるべき姿を並べると、課題の全体像を見渡せます。ギャップの原因はロジックツリーで掘り下げ、事業構造を確認する場合はSWOT分析、3C分析、ビジネスモデルキャンバスへ広げます。知りたいことを決めてから型を選ぶと、分析が目的化しません。
本質的な経営課題を見つけるためのコツ
本質的な経営課題は、資料や会議室の議論だけでは見つかりません。現場に踏み込み、実態と数字の両面から確かめることで初めて見えてきます。私たちが現場で重視している3つのコツを紹介します。
建前ではなく現場の実態をつかむ
ここでいう建前とは、マニュアルや規定に記載された正式な手順です。実際には、担当者ごとの工夫や例外処理が加わっている場合があります。私たちは現場で操作や業務の流れを確認し、雑談も含めて背景を聞き取ります。必要な場合は、課題解決の目的に立ち返って方向転換も直接お伝えします。
数字は元データまで遡って擦り合わせる
集計後の結果だけを見ると、数字の定義や集計時点の違いに気づけません。そのまま進めると、誤った要件で設計が固まり、テスト段階で大きな手戻りが発生します。私たちは計算式の元データまで遡り、どのデータをいつの時点で使うかをお客様と擦り合わせます。
経営と現場の「数字のズレ」を統合する
経営と現場で数字の定義や更新時点が異なると、同じ状況を見ても判断が分かれ、施策の優先順位や予算配分を誤るおそれがあります。ある大企業では、部門ごとに分かれていた数字を統合し、全社で同じ数字を確認できるレポートを構築しました。共通の判断基盤をつくることで、症状の奥にある課題も議論しやすくなります。
参考記事:観光業志望からITへ。顧客と向き合いながら”数字を動かす”BPC開発の現場
本質的な経営課題を特定して、定着までを見越した設計が必要
経営課題を見つけるには、現場の実態を踏まえて業務を可視化し、表面化した問題と原因を切り分ける必要があります。まず利益、人材、生産性などの問題を確認し、ヒト・組織、業務プロセス、数字・財務、IT・システムの4領域から兆候を探します。次に、あるべき姿を描き、現状とのギャップを課題として言語化し、経営や後工程への影響を基準に優先順位を決めます。As-Is/To-Be分析などのフレームワークは目的に合わせて選び、元データや現場の業務まで確かめることが重要です。課題の特定だけで終わらず、実行後に現場へ定着する状態まで設計して初めて、経営課題の解決につながります。
ノムラシステムコーポレーションは、システム導入を目的とせず、現場に入り込んで業務と数字を可視化し、本質的な経営課題を整理します。SAP・ERPの導入やDX支援で培った知見を生かし、経営層と現場の認識をつなぎながら、解決策の実行と定着まで伴走します。
東京MXの番組で、ノムラシステムコーポレーションが取り上げられました。詳しい内容を知りたい方は、ぜひ下記のYouTube動画をご覧ください。
ノムラシステムコーポレーションの紹介動画
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経営課題の見つけ方に関するよくある質問
経営課題と経営問題の違いは何ですか?
経営問題は、売上減少や人手不足など、実際に起きている現象を指します。経営課題は、その現象の裏にある原因を突き止め、解決すべきテーマとして言語化したものです。問題は起きていること、課題はこれから解くことと整理すると、混乱しにくくなります。
経営課題はどのくらいの頻度で見直すべきですか?
事業計画の節目にあたる年1回を基本としつつ、市場環境や組織が大きく動いたときには随時見直すのが望ましいです。一度洗い出した課題も、優先順位は状況で変わります。四半期ごとに進捗と優先度を点検すると、課題が形骸化しません。
中小企業でも使える経営課題の見つけ方はありますか?
あります。まずはあるべき姿と現状のギャップを書き出し、なぜなぜ分析で原因を掘り下げる方法が、規模を問わず取り組みやすい進め方です。全社を一度に見るのではなく、影響の大きい業務から範囲を絞って始めると、限られた人手でも実行できます。
経営課題が多すぎて優先順位がつけられないときはどうすればよいですか?
課題を、経営インパクトの大きさと着手のしやすさの2軸で並べると、取り組む順番が見えてきます。すべてを同時に解こうとせず、インパクトが大きく着手しやすいものから一つずつ進めます。判断に迷うときは、数字で効果を試算して比較すると合意形成が進みます。
現場から本音の課題を引き出すコツはありますか?
マニュアル上の手順ではなく、実際の業務の流れをその場で見せてもらうことが有効です。数字については、集計後の結果ではなく元データまで遡って一緒に確認すると、認識のズレが表面化します。評価につながらない場であることを伝えると、現場は率直に話しやすくなります。
